サッカーにおいてセットプレーのひとつに数えられるスローイン。近年ではその重要性が再認識され始め、強豪クラブリヴァプールではスローイン専門のコーチが指導しています。
スローインの最大の武器はオフサイドがないこと。だからこそ、ロングスローなどでゴール前に入れれば、多くの長身選手を送り込んで密集を作り、脅威となりえます。また、ロングスローはキックよりも正確で、伸びるような軌道を描くため、DFにとっては対応しづらいボールとなるのです。
では、スローインが直接ゴールに吸い込まれた場合はどうなるのでしょうか。競技規則や過去の例とともに見ていきましょう。
スローインが直接ゴールに入った場合
JFA(日本サッカー協会)が明らかにしている競技規則では、スローインに関しての第15条でこのようにあります。
「スローインは、グラウンド上または空中でボールの全体がタッチラインを越えたとき、最後にボールに触れた競技者の相手競技者に与えられる」
つまり、スローインが直接相手チームのゴールに入った場合はゴールキックで再開されます。逆にスローインでバックパスをしてそのまま自陣ゴールへ入った場合はコーナーキックと判定されます。
もちろん、いずれの場合も選手が少しでも触ったことが認められれば、ゴール判定となります。
過去の例
過去にはスローインが直接ゴールへ入ったシーンも見られました。2014年10月には、ヨーロッパリーグ・グループステージ第2節、スタンダール・リエージュとフェイエノールトの一戦で、フェイエノールトのオランダ代表DFミケル・ネロムのロングスローが、日本代表GK川島永嗣の守るゴールへそのまま吸い込まれました。
誰も触っていないように見えた一連のプレーでしたが、判定はゴールに。その後、SNSなどでリプレイが繰り返し流れたことで、ファン・サポーターからは「誤審だ」との声が多く上がりました(※UEFA公式サイトは「DFファン・ベークの頭をかすめていた」とコメント)。
ただ、実際のところ、触れたかどうか、かすったかどうかを目視で判断するのは至難の業。映像で見直しても完璧な答えを出すことは難しいので、致し方なしとも言えるでしょう。
まとめ
前述の通り、相手のミスなど“事故”での得点も期待できるセットプレーのスローイン。ですが、バックパスの際にはGKは注意が必要です。トラップミスで足をかすめてゴールに吸い込まれれば、そのまま判定はゴールとなってしまうだけに、味方も注意してスローインを行うようにしましょう。