サッカーで「リスペクトする」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。試合前後に選手や監督が頻繁に使う言葉ですが、本来の意味とサッカーでは少し異なってきているように感じます。そのため、サッカーを普段見ない人からすれば、あまり意味が通じない言葉となっているかもしれません。
そこで今回はリスペクトするという言葉について解説。どのような意味で使われ、通じるようになったのでしょうか。
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リスペクトとは?
リスペクトとは、もちろん英語の名詞である「respect」から来ているもの。これの意味が「尊重」や「敬意」であるということは広く知られているでしょう。実際、若者の間でも「リスペクトしています」というように日本語でそのまま使われることもさほど珍しくなくなりました。
ですが、サッカーでの「リスペクトする」は少々意味が変容し始めています。実際、プロレベルではどのように使われているのでしょうか。
サッカーでの「リスペクトする」とは?
サッカーでは「相手をリスペクトする」という言葉が、試合前の会見で選手や監督の口からよく聞かれるようになりました。意味は「尊重する」ということのままなのですが、さらに踏み入って、「相手を尊重し、敬意を持ってプレーし戦う」というように使われています。
つまり「リスペクトする」というのは、相手が戦力的に下のチームであったとしても、決して侮ることなく戦うという意思表示になります。
また、この言葉には戦術的な意味も含まれています。例えば、試合序盤に相手の攻撃力を警戒して、守備的な布陣を採用してきたことがわかった場合などには、「~~(チーム名)をリスペクトした戦いをしている」といったように戦術的なアプローチも含めた意味でも用いられているのです。
「リスペクトする」ことの問題点
ここまで説明してきましたが、そもそもプロのチームであれば、どんな場合でも相手を「リスペクト」しているもの。監督は相手の強み、弱みを理解した上で11人をピッチへと送り出しているはずです。
しかし、ときに“リスペクトしすぎた”ことで悪い結果を招くこともあります。リスペクトするということは、相手に敬意を払って、ときに自分たちの本来のスタイルではない形でプレーするということ。つまり自分たちの得意なプレーをしないことで、調子を崩し、それが失敗に終わることもあるのです。
特にジョゼップ・グアルディオラ監督やトーマス・トゥヘル監督といった戦術家たちは、相手チームを分析しすぎたあまり、アプローチを誤る姿がしばしば見られています。そのため、“リスペクトしすぎる”ということもときには問題となるのです。
まとめ
今回はリスペクトするということの意味について解説してきました。テレビ中継などを聞いていると、よく聞かれる言葉なので、改めて説明してみました。本来の意味を超えて使われている言葉のひとつなので、ぜひ覚えておきましょう。