サッカーでラインブレイクという言葉は聞いたことがあるでしょうか。ラインブレイクは正直、あまり経験者の間やテレビ中継でもそれほど使われない言葉ですが、意味は通じることでしょう。とはいえ、未経験者の人々にとってはなかなか意味が理解できない言葉でしょう。
そこで今回はラインブレイクの意味や求められる技術について解説。サッカーにおいてどれほど重要な技術であるか説明していきます。
ラインブレイクとは?
ラインブレイクとは、最終ラインをブレイク(破る)ということ。つまり裏に抜けることを意味しています。FWが身に付けなければいけない動きのひとつで、味方のスルーパスに合わせて抜けることでラインブレイクを達成することができます。相手がハイラインであればあるほど、そのチャンスは大きくなるでしょう。
ただし、速く抜け出しすぎるとオフサイドとなってしまい、また遅すぎるとボールに追いつく前に相手選手にクリアされてしまいます。
そんなラインブレイクを成功させるためにはどのような技術が求められるのでしょうか。以下で説明していきましょう。
ラインブレイクに求められる技術
一般的には選手自身が持っているスピードは大事ですが、最重要ではありません。実際、裏抜けの名手であった元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギはそれほど足の速い選手ではありませんでした。
ラインブレイクに最も必要なのはタイミングとパスの出し手との連携です。
パスが出てから抜け出すのではなく、パスが出る直前に走り出すことが必要です。そうすることで最高スピードを持ったままラインを破ることができるのです。そのためには相手の最終ラインを見極めつつ、走ることが重要です。具体的には、パスが出る直前に最終ラインと平行に走りながら、抜け出すという技術があります。これを行うことで、相手DFからのマークを外しつつ、最高スピードでラインを破ることができ、ワールドクラスのストライカーは当然行っています。
もちろん、パスの出し手とのアイコンタクトも重要。互いにパスが出る直前に目を合わせ、出す・抜けるの意識を共有する必要があります。基本的に、受け手が先に走り出して、ボールを呼び込む形が最もラインブレイクが成功しやすい形でしょう。特に足に自信がなければ、相手DFより先手を取って動き出す必要があります。
この2点をうまく実行に移せれば、ラインブレイクも夢ではないでしょう。
現代サッカーのラインブレイクの名手
上記で紹介したインザーギはイタリアが誇るレジェンドですが、現代のサッカーにおいてもイタリア代表FWがラインブレイクを得意としています。
それがラツィオFWチーロ・インモービレです。
インモービレはそれほどスピードのあるタイプではありませんが、予備動作が巧みであるがゆえに裏抜けを得意としています。その動きこそ相手DFから一度消える動き。最初から正直に動き出すのではなく、一度フェイクの動きを入れることでラインブレイクを容易にさせています。
もちろん、インモービレの動きは見て学ぶこともできます。ラインブレイクを狙う際はインモービレを参考に、一度DFの目線から外れる動きを行うことで裏抜けを身につけることができるでしょう。
まとめ
今回はラインブレイクについて解説してきました。何を隠そう、筆者はFWとしてこのラインブレイクの技術を得意としています。足はどちらかという鈍足の部類ですが、タイミングと技術で幾度も裏抜けを行ってきました。
成功すると、自分一人が抜けて気持ちよさも実感できるのがラインブレイクです。とにかく経験を積み、たくさんのオフサイドにもかかりながら、タイミングをつかんでいきましょう。そうすれば、いつの日かゴールに結びつけることができるでしょう。