サッカーでのボックストゥボックスという言葉を聞いたことはあるでしょうか。選手のタイプを表す用語のひとつであり、現代サッカーにおいては欠かせない能力のひとつです。しかし、非常に専門的な用語でサッカーのみでしか使われない言葉であるため、あまり知っている人は多くないでしょう。
そこで今回はボックストゥボックスという言葉の意味について解説。どのような選手を指して使われる用語なのかを説明していきます。
目次
ボックストゥボックスとは?
ボックストゥボックスとは、英語の「Box to Box」から来ており、英語圏のイングランドなどで使われるようになった言葉です。意味はそのまま「ボックスからボックスまで」。自陣のペナルティーエリアから相手陣内のペナルティーエリアまでをプレーエリアとするような選手の特性のひとつを「ボックストゥボックス」と呼んでいます。
主にボックストゥボックスと評価されるタイプの選手のポジションは中盤です。ボランチやセントラルMFなど、チームの中心に据えられる選手がボックストゥボックスの特性を持っているとチームを攻守で後押しすることができます。
現代サッカーでは、攻撃だけ、守備だけをする選手が生き残るのは難しくなっています。そのため、攻守両方で貢献できる中盤の選手が高く評価されるようになっています。
ボックストゥボックスタイプの選手とは?
では、現代サッカーで典型的なボックストゥボックスタイプの選手は誰でしょうか。世界を見渡せば、中盤には数多くのタレントが存在しますが、攻守を高いレベルでこなすことのできる選手はそれほどいません。
しかし、以下の3人は現在世界最高のMFと呼ぶにふさわしく、ボックストゥボックスタイプでは最高峰の選手と呼べるでしょう。紹介していきます。
ケヴィン・デ・ブライネ(ベルギー)
言わずと知れた世界最高のMFの一人であるデ・ブライネ。現在はマンチェスター・シティでプレーし、長短のパスを織り交ぜながらゲームメイクする能力は卓越したもの。また、スピードも備えているためドリブルで運ぶ能力はもちろん、守備でもハードワークできます。セットプレー時のキック精度の高さも随一で、すべての能力を備えた選手と言えるでしょう。
ルカ・モドリッチ(クロアチア)
ベテランとなったモドリッチ。レアル・マドリーでプレーし、年齢的にはキャリア終盤に差し掛かりながら、いまだその技術はトップレベルを誇ります。正確なロングパスで試合のリズムを作ることができ、得意のアウトサイドパスで決定的なアシストも記録できる選手。ミドルシュートやダイレクトボレーなど難度の高いシュートも決める技術もありながら、守備でも体を張ることができ、まさに最高のボックストゥボックスタイプと言えるでしょう。
ヨシュア・キミッヒ(ドイツ)
新世代のMFであるキミッヒ。過去にはサイドバックやセンターバックとしてもプレーしていたポリバレントな選手でありながら、近年世界最高のボランチと評価されるまでになりました。デ・ブライネ同様、長短のパスは正確でチームにおいて欠かせない存在。小柄ながらフィジカルも申し分なく、身を粉にして守備でもハードワークできます。試合中には年上の選手も容赦なく叱咤し、吠える姿はまさに闘将です。
ボックストゥボックスに求められること
ボックストゥボックスと呼ばれるようなタイプの選手になるために求められる能力は何でしょうか。
まずは当然スタミナが挙げられるでしょう。守備では自陣深くまで戻り、攻撃では最前線まで駆け上がる走力が求められます。
また、適切なタイミングで適切な場所に走る状況判断力も必要です。ただ、闇雲に前に走るだけではチャンスは作り出せません。状況を見極め、先のプレーを読んで走り込むことが求められるのです。
まとめ
今回はボックストゥボックスについて紹介してきました。中盤でプレーする際は攻撃、守備どちらかだけではなく、両方を意識して取り組むことが大事になるでしょう。ボックストゥボックスの働きを披露できれば、自ずと中盤の選手としても高く評価されるようになるはずです。