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サッカーにおけるポリバレントの意味とは…どんな選手を指すのか?

サッカーでポリバレントとはどのような言葉かご存知でしょうか。テレビ中継の解説などで選手のタイプを説明する際に聞いたことがあるかもしれません。ですが、言葉からイメージを想像しづらく、意味を説明できる人はそれほど多くはないでしょう。

そこで、今回はポリバレントの意味について説明。どのような選手を指して使うのかについても解説していきたいと思います。

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ポリバレントとは?

ポリバレントとは英語の名詞である「polyvalent」から来ています。意味は化学用語であり、「多価」、「多くの働きを持つ」といったように訳されています。本来は化学で価数が2以上あるという意味を持っています。つまり「多価」であると同時に、「多くの働きを持つ」ということになります。

サッカーにおいては、より後者の意味が強まって使われています。正確な使い方を以下で説明していきましょう。

サッカーにおけるポリバレントの意味

そもそも、日本のサッカー界でポリバレントが使われるようになったのは、2006年から日本代表で指揮を執ったイビチャ・オシム監督が「ポリバレント」という言葉を使い始めたことが大きく影響しています。当時の指揮官はポリバレントな選手をチームに求めていたのです。

では、一体ポリバレントな選手とはどのような意味なのでしょうか?

一言で言えば、便利な選手です。様々なポジションをこなすことができ、そのポジションのスペシャリストとは対極にいる存在です。複数のポジションでプレーできれば、試合中にも選手を代えずしてフォーメーションを変更することができ、チームの戦術に幅をもたらすことができるのです。また、類義語として「ユーティリティプレーヤー」も挙がげられています。

2018年のロシア・ワールドカップ前にも日本サッカーでは話題を集めました。それは当時の日本代表指揮官西野朗氏が中島翔哉を最終メンバーに選ばず、「ポリバレントではなかった」と発言したからです。つまり中島はスペシャリストという認識をしていたことがわかりますが、この一軒に関しては議論が分かれるところです。

ポリバレントとユーティリティは違う?

ポリバレントとユーティリティは似た意味で、類義語としても扱われると前述した通りですが、実際には微妙に異なる意味で使われることがあります。

ユーティリティは単に「便利屋」としての意味が強い言葉。様々なポジションでプレーでき、替えが効く選手とも言えるでしょう。一方で、ポリバレントも同様の意味で使われるケースはありますが、より多様性に焦点を当てた意味で使われることもあります。例えば、同じポジションでプレーしていても様々な役割でチームに貢献できる選手をポリバレントと言うことができるでしょう。

つまりユーティリティさよりもポリバレント性を伸ばしていくことが今後は重要になるかもしれません。

どのような選手がポリバレントか?

世界を見渡したとき、どのような選手をポリバレントと評価することができるのでしょうか。

例えば、ドイツ代表MFヨシュア・キミッヒはポリバレントな選手と言えます。現在は中盤の選手として世界屈指の輝きを見せていますが、以前は右サイドバックとしても活躍。また、ジョゼップ・グアルディオラ監督が率いていたバイエルン時代にはセンターバックとしてもプレーしていました。その高いキック精度が武器で、どのポジションでも活躍できる稀有な存在でした。

また、近年は日本人選手もポリバレント性を備えた選手が数多くいます。元日本代表MF長谷部誠などはその代表例。ボランチを本職とする選手ですが、フランクフルトではリベロ的なCBも務め、過去にはサイドバックやゴールキーパー(※味方選手退場時)でもプレーした経験を持っています。

U-24日本代表でプレーする中山雄太もポリバレントな選手です。本職はボランチですが、左サイドバックやセンターバックとしてもプレー可能。チームのキャプテンを務めながら、“便利屋”としても評価されています。

また、同じくU-24日本代表として東京五輪にも出場した旗手怜央もそのポリバレント性で一気に注目を集めました。大会での登録ポジションはDFでしたが、MFや最前線のFWとしても出場。どのポジションでもハイレベルなパフォーマンスを見せ、日本代表のベスト4進出に貢献しました。

複数のポジションを高いレベルでこなすことができるのは紛れもなく武器。それだけでチームにおいて大きな価値を持っていると言えるでしょう。

まとめ

今回はポリバレントについて解説してきました。なかなかポリバレントな選手を目指すのは難しいですが、ボランチを本職とする選手であれば、サイドバックやセンターバックでもプレーできる可能性を秘めています。ポジションに関する自分の価値観を広げてみてはいかがでしょうか。

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