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アディショナルタイムの意味とは…なぜロスタイムと呼ばなくなった?

サッカーにおいて「アディショナルタイム」という言葉を聞いたことがあるでしょう。日本語に訳すと、そのまま「追加時間」。以前は「ロスタイム」と呼ばれ、親しまれていた時間でもあります。

今回はアディショナルタイムの意味や、なぜロスタイムと呼ばれなくなったのか、その経緯などを解説していきます。

アディショナルタイムとは

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アディショナルタイムとは、90分以降に計測される時間のこと。サッカーでは、実際にプレーされておらず、主審が時計を止めている時間があります。例えば、負傷者が出た場合やセットプレー時、また近年ではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって中断された時間などは、プレーされていない時間となります。

特に勝っているチームは選手交代や、セットプレー時には時間を空費する傾向が強いので、負けているチームに対して不公平にならないように時計を止めます。そして、「追加時間」として90分以降にカウントするのがアディショナルタイムとなります。一般的には2~4分ほどになることが多いですが、近年はVARによって比較的長く中断することも増えています。したがって、10分近いアディショナルタイムとなることも珍しくなくなりました。

また、アディショナルタイムは英語で「Additional Time」であるため、ニュースなどでは「AT」と訳される場合もあります。テレビ実況などではそのまま「追加時間」と呼ばれることもあるので、覚えておきましょう。

アディショナルタイムの最長は?

アディショナルタイムに上限はありません。前述の通り、VARでの確認が入ったり、負傷者が出たりするなど、試合が長く中断されることでアディショナルタイムに加算されていきます。

例えば、2018年11月24日に行われた、明治安田生命J1リーグ第33節、清水エスパルスとヴィッセル神戸の一戦ではなんとアディショナルタイムは19分間まで伸びました。これは選手が頭部を強打したことに加え、選手とスタッフが入り乱れる乱闘騒ぎによって試合が中断してしまったことが大きく影響しています。しかし、本来はアディショナルタイムに入った後の負傷や中断などはアディショナルタイムとしてカウントされないため、後に審判団にミスがあったとしてJリーグは謝罪の声明を発表しています。

このように試合が荒れた展開になればなるほど、アディショナルタイムは伸びていくものと理解してもいいでしょう。

なぜロスタイムと呼ばれなくなった?

元々、アディショナルタイムは「ロスタイム」と呼ばれていました。そのまま訳せば「失われた時間」ですが、近年メディアを中心に「アディショナルタイム」と呼ぶようになったので、自然にロスタイムというワードは消えていきました。その背景にあるのは、ロスタイムが和製英語であること、加えて海外では元々「Additional Time」と使われていたことが影響しています。つまり、ロスタイムは日本でのみ浸透していた言葉と言えるでしょう。

実際、日本サッカー協会(JFA)は2010年7月から公式に「アディショナルタイム」と使うよう通達。以降、ロスタイムは消え、アディショナルタイムが一般にも浸透するようになりました。

まとめ

しばしばドラマが生まれるアディショナルタイム。試合終盤ではビハインドのチームはパワープレーに出ることが多いので、注目すべき時間帯でもあります。また、ロスタイムという言葉が消えた背景を説明できれば、豆知識としても披露できることでしょう。

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