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ディシプリンの意味とは?現代サッカーに欠かせない“共通理解”

サッカーにおいてディシプリンという言葉を聞いたことはあるでしょうか。あまり一般的に使用される言葉ではありませんが、監督のコメントなどではしばしば使われる重要な意味を持つ言葉のひとつです。

ディシプリンは現代サッカーにおいて必要不可欠な要素のひとつ。そんな言葉の意味や使い方について解説していきたいと思います。

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ディシプリンとは?

ディシプリンとは、英語の名詞である「discipline」から来ています。意味は「訓練」や「しつけ」、「抑制」といったもの。

サッカーにおいてもそれほど遠くかけ離れている意味ではありませんが、微妙に使い方は異なります。以下でディシプリンについて改めて解説していきましょう。

サッカーにおけるディシプリンとは?

サッカーでのディシプリンの意味は一言で言うと「規律」となります。すなわちチーム内での「ルール」と言い換えることもできるでしょう。ルールと言っても「あれを守りましょう」、「これをしてはいけません」といったシンプルなものとは限りません。

ディシプリンはチーム内での共通理解を指し、11人全員がやるべきことを共有することの徹底を意味します。ディシプリンを選手たちに完璧に浸透させることにより、ピッチ内でよりスムーズな動きが可能となり、チームに必要なオートマティズム(流動性)が生まれます。

ときにディシプリンとは、複雑な戦術を凌駕します。全員が意識を共有し、同じ方向に向かうことで強力な力を発揮することもあるのです。

古くは、かつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエ監督が「ディシプリン」をチームに強く求めたことが大きな話題となりました。結果的に勤勉な日本の選手と指導スタイルがマッチしたことにより、2002年の日韓ワールドカップで初の決勝トーナメント進出を果たしています。現在でも、ジョゼ・モウリーニョジョゼップ・グアルディオラなどの名将も強く規律を求めている指揮官の一人と言えるでしょう。

ディシプリンの逆は…

ディシプリンの逆は選手自身に律することを求める「自律」となります。すなわちピッチ内では選手たちの創造性や発想力に頼り、自由なスタイルのサッカーを展開することとなります。選手たちの能力が高く、ハマれば強さを発揮できますが。エゴの強い選手が集まってしまうと、しばしば瓦解してしまうことも少なくありません。

かつて日本代表を率いたジーコ監督などは選手たちを信頼し、ピッチ内では自由を与えました。しかし、2006年のドイツワールドカップでは結果的にグループステージ敗退となっています。

ディシプリンの例

サッカーにおけるディシプリンとは「約束事」であることは前述の通りですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

例えば、現リヴァプール指揮官ユルゲン・クロップがドルトムント時代に掲げていた「ゲーゲンプレス」はディシプリンの代表例を意味しています。「即時奪回」を意味しており、ボールを失って○秒以内に奪い返すというディシプリンがチーム内に浸透していたと言われています。

また、ユップ・ハインケス監督が率いていた2012-13シーズンのバイエルン・ミュンヘンもディシプリンが浸透していました。チーム全員が守備をハードワークするという意識が共有されていました。それは攻撃の選手も例外ではなく、アリエン・ロッベンやフランク・リベリといったスター選手でさえ、守備に走っていたことで圧倒的な強さを誇りました。

このようにディシプリンはあまり複雑なものではありません。しかし、実際にプレーしてみるとピッチ上の11人全員が忠実に守ることが難しく、だからこそ大きな意味があるのです。

まとめ

今回はディシプリンについて解説してきました。抽象的な言葉で理解は難しいですが、現代サッカーには欠かせません。特にアマチュアレベルでサッカーをする場合には、選手の能力以上に共通理解が大きな力の差に変わる場合もあるので、ディシプリンを徹底しましょう。

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