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オフサイドのルール改正はどう影響する?攻撃側に有利すぎるとの声も

サッカーの最も有名なルールのひとつである、オフサイドが改正されるかもしれないことをご存知でしょうか?

近年では、より厳格化されてややこしくもなってきているオフサイド。今回は攻撃側に有利なルール変更となりそうですが、どのようにルールが改正されようとしているのか解説していきましょう。

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そもそもオフサイドとは?

オフサイドとは「待ち伏せ禁止」のルールです。守備側の後ろから2人目の選手がオフサイドラインとなり、そのラインを越えてボールを受けるとオフサイドの反則となります。

多くの場合、一番後ろの選手はゴールキーパーとなるので、最も後ろにいるDFがオフサイドを形成することになります。

従来のオフサイドルールであれば、攻撃側の選手の身体のどこか一部でもオフサイドラインを越えていればオフサイドでした。そのため、つま先やかかとの差でオフサイドが発動し、ゴール取り消しとなるという場面も少なくありませんでした。

しかし、ルール改正後はこのようなことがなくなるようです!

どのようなルール改正か?

FIFA(国際サッカー連盟)は先日、オフサイドの新ルールを検討していることを発表。改正後の内容は「オフサイドラインより前に身体の一部があっても、少しでも身体の一部が残っていればオンサイド」というもの。すでに話し合いは終わりに向かっており、来年の7月1日にも導入されるというのです。

なぜ突如としてこのようなルール改正が行われるのでしょうか。

それは明らかにエンタメとしての価値を上げるためです。単純にこのルールとなれば、オフサイドが減少し、オフサイドによるゴール取り消しは減るでしょう。したがってゴール数は増加し、サッカーの醍醐味であるゴールに歓喜する瞬間は増えると考えられています。

なお、このルールは元アーセナル指揮官アーセン・ヴェンゲル氏が提唱しました。ヴェンゲルさんは攻撃志向で有名な監督で、以前から厳しいオフサイド判定に否定的だったので、確かに合点の行く案ではあります。

改正の影響は?

まだオフサイドの新ルール導入まで1年以上がありますが、すでに影響は出始めています。

それが市場価値の変化です。今季、チェルシーのFWティモ・ヴェルナーはプレミアリーグで苦戦し、オフサイドによって多くのゴールが取り消されました。快足であり、裏に抜け出すタイプのストライカーゆえの欠点ですが、新ルールになれば逆にゴールを量産することが考えられます。そのため、今季オフサイドを多く記録している選手ほど市場価値が上がっているようです。

逆に、足の速いセンターバックなども同様の理由で市場価値が高騰。最終ラインを破られても追いつくことのできる選手は稀少というわけです。

また、戦術的にも変化が求められる可能性もあります。少しでも身体の一部を残せばオフサイドとならないため、単純にオフサイドを意図的にかけるような動きは少なくなっていくはず。そのため、最終ラインを低く設定するチームも多く現れることが想像できます。

逆に攻撃においても裏へとボールを放り込むチームが増える可能性もあり、サッカーが少し違ったものになるのかもしれません。

まとめ

今回のルール改正は非常に大きなものですが、個人的には大賛成。なぜなら一度はネットを揺らしながら、VARによって幾度もゴール取り消しとなったシーンを見てきたからです。それが明らかなら反則なら納得ができますが、わずかに身体の一部が出ているという理由でのオフサイドは正直興ざめしていました。

ただ、一方で攻撃側に有利すぎるとの声も上がっており、確かに理解はできます。新ルールであれば、FWがかかとだけ残して抜け出すというやり方でもオンサイドとなるため、DFにとっては厳しすぎるような気も…。いずれにせよどのようにルールが変更されるのか、慎重に見守っていきたいですね。

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