日本でも時折使われるようになった「デュエル」という言葉。日本ではカードゲームでも使われておなじみの言葉ですが、ことサッカーに関してはどんな意味を指し、どのように使われ方をするのでしょうか。
デュエルという言葉についても迫りつつ、サッカーにおいてデュエルの重要性を説明していきます。
目次
デュエルとは?
デュエルとは「duel」という英語の名詞から来ています。意味は「決闘」と訳されることが多く、1対1の戦いであることが強調されています。
すわわちサッカーにおいても1対1の戦い。つまり球際の対人戦などを指すことが多くなっています。「球際での競り合い、争い」と認識しても誤りではないでしょう。
日本で「デュエル」が使われるようになった経緯
日本でなぜ「デュエル」が“流行った”のか。それはかつて日本代表指揮官を務めたヴァイッド・ハリルホジッチが就任当初から使い始めたからです。就任したのは2015年3月だったので、2015年から日本で使われるようになった言葉と考えてよいでしょう。
縦に速いサッカー、カウンターを信奉としていた指揮官は、日本代表の選手たちに球際での戦いを求めました。それはピッチのどの位置でもボールを奪いに行くということの表れであり、デュエル同様「インテンシティ」という言葉も流行しました。
結局、ハリルホジッチ監督は夢半ばで解任の憂き目に遭いましたが、言葉は現在も日本に根づいたといっていいでしょう。育成年代などでもデュエルを求めることは当たり前のこととなっています。
日本の”デュエル王”とは?
”デュエル王”というと、世代的にどうしてもカードゲームを意識してしまいますが、ことサッカーに関していえばとにかく1対1が強い選手ということです。とりわけセカンドボール(ルーズボール)などはどちらのボールともなっていないため、この能力が如実に表れます。
日本人選手であれば、やはり遠藤航がそのトップに君臨しているでしょう。
屈強な大柄選手が数多く活躍しているドイツ・ブンデスリーガでプレーする遠藤。しかし2000-21シーズン、遠藤はデュエル勝利数476を記録し、リーグトップに輝きました。まさに”デュエル王”と呼ぶにふさわしい存在なのです。
特にドイツでは、「ツヴァイカンプフ(Zweikampf)」と呼ばれる1対1の強さは重要視されているだけに、遠藤がブンデスリーガでも屈指の好選手であることは知れ渡ることとなりました。
デュエルに勝つためには?
デュエルに勝つことができれば、当然ボールをチームのマイボールにすることができます。その回数が多ければ多いほど、チームの攻撃回数も増えていくはずです。
ハリルホジッチが指摘した通り、日本人はデュエルが弱い民族です。世界的に見ると、フィジカル的にも秀でておらず、穏やかな国民性も影響しているのかもしれません。それでも、デュエルに勝つための秘訣はあります。
それは身体の入れ方とぶつけ方のたった2つです。
球際の攻防であれば、身体の入れ方は重要となります。例えば、相手より先にボールに追いつきそうであれば、相手とボールの間に自分の身体を入れてしまえば、そう簡単に奪われることはありませんし、マイボールにすることができるでしょう。相手の進路を塞ぐことで、不要なフィジカルバトルを避けることもできます。
もちろん、サッカーであれば、身体をぶつけ合って奪いに行かなければならないときもあります。例えば、互いがイーブンの状況でボールを追っていれば、身体をぶつけてマイボールにする必要があります。当然ショルダータックル(肩をぶつけて)で相手を退けなければなりませんが、その際に意識することは重心。重心が低ければ低いほど安定するため、姿勢を低く保ちつつ、腰からお尻あたりを相手にぶつけるイメージで競り合いましょう。
実際、上記で挙げた遠藤は178センチ75キロと、決して大柄な選手ではありません。むしろボランチの選手としてはかなり小柄な部類です。だからこそ、コツをつかむことがデュエル勝利の秘訣となります。
まとめ
今回は、デュエルとその競り合いに勝つ秘訣を紹介してきました。僕自身、競り合いは得意ではありませんが、意識することで奪うことのできるボールもあるはず。特にルーズボールの際は、身体の入れ方、ぶつけ方を意識して競り合ってみましょう