サッカーの世界で使われるようになって久しい「インテンシティ」という言葉。サッカー経験者であれば、何となく意味は伝わりますが、そうでない人にとってはあまりピンと来ない言葉でしょう。
そこで、サッカー経験者であり、インテンシティの高いプレーをモットーに日々プレーしている筆者が言葉の意味、そして現代サッカーにおいてどのようなものであるのかを解説していきたいと思います。
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目次
インテンシティとは?
インテンシティとは、「intensity」という英語の名詞のひとつです。意味は「強烈」、「激烈」、「厳しさ」、「強さ」などと訳されます。
ただし、サッカーで使われる際は「強度」が一番近く、「プレー強度」と訳される場合が多いでしょう。以下で使われるようになった経緯や、実際のどのような状態を指すのかを解説していきます。
日本で「インテンシティ」が使われるようになった経緯
日本サッカー界で最初に使われるようになったのは2013年頃のこと。当時の日本代表監督アルベルト・ザッケローニ監督がイタリア語でインテンシティを意味する言葉を発し、メディアで突如として話題となりました。
その後も日本代表指揮官であったヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「インテンシティ」を使ったことでも話題に。同時に「デュエル」という言葉も飛び出し、よりフィジカル面で選手たちに戦うことを求めていたことも明らかとなりました。これはハリルホジッチ監督がカウンター主体のスタイルを信奉としていたため、まずは守備面で戦うことを求めていたということが透けて見えてきます。
しかし、インテンシティの実態はなかなか見えてきません。実際のところ、インテンシティとは現代サッカーでどのように使われるものなのでしょうか。
現代サッカーにおけるインテンシティとは?
現代サッカーにおいてインテンシティは欠かせない要素のひとつ。ハリルホジッチ監督が言ったようにフィジカル的な意味合いで使われることが多いでしょう。
ただし、プレー強度を高めることがインテンシティを高めることであり、フィジカルそのものを上げることではありません。例えば、スプリントする回数を増やす、走る距離を長くする、走るスピードそのものを上げるといったことが、インテンシティを高めることにつながるのです。インテンシティを高めることでより対人戦で負けないようにすることをハリルホジッチ監督は求めていたはずです。
もちろん、身体的な面以外でもインテンシティは使われます。判断のスピードを速くする、周囲の状況を素早く認知するといった、思考的な面でもインテンシティは使われるようになり、より幅広い意味を持ち始めています。
筆者がインテンシティの高さを見て体感した試合は、2019-20シーズンのチャンピオンズリーグ決勝。バイエルン・ミュンヘンとパリ・サンジェルマンの一戦です。全員が最高速度でボールホルダーに寄せ、そして寄せられた選手は一瞬で状況を判断し、最適な決断を下すといったプレーを連続して行っていました。個人的には、人間がサッカーにおいてインテンシティを最高まで高めた結果を示した試合だったと思います。参考までに見ていただくことをおすすめします。
まとめ
今回はインテンシティについて解説してきました。いまだ正確な定義などはなく、ふわっとした形でも使われるインテンシティという言葉。ですが、現代サッカーにおいて欠かせない要素であることに変わりはありません。
皆さんも実際にプレーする際はインテンシティを意識してプレーしてみてもいいかもしれません。