サッカーでは「懐が深い」という表現を使うことがあります。これはもちろん、褒め言葉ではあるのですが、意味があまりわからないという人も多いでしょう。サッカーしない人であればなおさらのことです。
そこで今回は懐が深いというプレーの意味について解説。どのような意味であり、どう使われる言葉なのかを解説していきます。また、懐が深いプレーができるような練習法についても教えていきます。
懐が深いとは?
「懐(懐)」という単語だけで言えば、慣用表現で「懐の深い人物」といったように使われることがあります。これは度量、器量の大きい人であることを意味しますが、サッカーの場合での言葉は「懐が深い」。もちろん、意味は異なります。
サッカーで懐が深いというのは、一言で言うとキープ力があるということを意味します。特にFWがポストプレーをする際に上手い選手ほど「懐が深い」と言えるでしょう。これは単純にフィジカルの強さだけではなく、ボールを置く位置や相手を手でブロックする技術などが合わさって、なし得るテクニックと言えます。特に大柄で、ボールキープ力に長けた選手が得意とするテクニックとも言えるでしょう。
身近な存在で言えば、「半端ない」でおなじみの日本代表FW大迫勇也はまさに懐が深い代表的な選手と呼べます。上背はそれほどないものの、相手をブロックする技術が高く、ポストプレーに関しては天下一品です。ボールを簡単にロストしてしまうシーンが非常に少なく、味方も安心してボールを預けることができる存在と言えるでしょう。
懐が深いドリブルも…
また、懐が深いという言葉自体はポストプレー以外にも使われます。例えば、懐が深いドリブル。良いドリブラーというのは足が速かったり、巧みな足技が使えるだけではなく、自身の持つ”懐”もうまく使います。
その懐の正体というのがポストプレーと同様にボールの置く位置です。相手に触らせづらく、自分の意のままに動かせる場所にボールを置くことで、スムーズな懐が深いドリブルを可能とします。
その代表的な例が元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ。決して飛び抜けたスピードがあるわけではありませんが、常にボールを置く位置が完璧であるためにヌルヌルと抜けていくようなドリブルが可能となっています。そのため、相手の足に触れることなく、またフィジカルで押しつぶされることもなく、突き進むことができるのです。彼もまた懐が深い、代表的な選手と言えるでしょう。
懐が深くなるためには?
懐が深い選手はボールを常に自分のコントロールできる位置に置くことができています。そのため、フィジカルバトルをしなくとも、相手のチャージを最低限ブロックできれば、キープすることができるのです。
したがって、どのような状況下でも自分の足元にボールを置く練習をする必要があります。例えば、ボールを見ずにノールックでボールタッチやシェイクといった基礎的なメニューをこなすことで、足元にボールがある感覚をつかむことができるでしょう。ボールタッチではなくとも、ゆっくりとノールックでボールを動かしてドリブルなどしても練習になるはずです。
本当は対人でDFがいるのがベストですが、一人で練習する際は相手DFがいるつもりで手を少し広げてブロックするような形でボールを動かすのがおすすめです。懐が深い選手となり、大迫のようなポストプレーを身につけましょう。
まとめ
今回は懐が深いという表現の意味について解説してきました。また、その正体や代表的な選手についても列挙しました。真似するのは簡単ではありませんが、意識付けによって少しは変わるものです。特にオフェンスの選手は懐が深いプレーを意識してみましょう。