なぜ日本で欧州サッカーはプレミアリーグ以外人気がないのか?

社会に出て働くようになれば、クリエイティブな発想というのはどこの場所でも求められるもの。それはウェブメディアであっても例外ではない。

筆者の働く編集部内では毎週、企画ミーティングを行ってどのようなコンテンツをサイトに掲載していくかを考えている。すぐに良い案が出るときもあれば、散々悩んで結局どこかで見たような案に収まることもある。クリエイティブなアイディアを出すというのは難しいものだ。

何よりメディアである以上、一定のニーズ(PV)を計らなければならない。見たことないような独自性のあるコンテンツであっても、誰にも読まれないようなものでは意味がない。逆に、大衆受けしそうであっても、あまりに使い古されたようなものはなかなかアイディアとして提案しづらいというわけだ。

■プレミアリーグ1強時代

そんなミーティングをいつも行っていると出てくる話題が、日本のサッカーファンの欧州サッカーへの興味の変化だ。今ほど様々なデバイスで欧州サッカーを見られる前、地上波でも流れていたセリエAが強い人気を誇った。そして、それからは数多くのビッグクラブがしのぎを削るプレミアリーグ、レアル・マドリーとバルセロナという絶対的な人気クラブがあるラ・リーガが日本ではポピュラーなものとなった。

だが、今はどうやら違う。

サッカーメディアで働き、日々記事のPVや反響を見ている私たちからすると、「プレミアリーグ1強」時代なのだ。コラムや分析記事、独自コンテンツを出したとき、数字をある程度期待できるのはプレミアリーグジャンルのみ。チャンピオンズリーグの大一番やエル・クラシコであったとしても、プレミアリーグの一戦をPVで下回ることは往々にしてある。

確かにプレミアリーグのクラブは欧州でも安定した結果を残す。今季のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグでも複数のクラブが勝ち残っている。だが、2019-20シーズンのチャンピオンズリーグではバイエルン・ミュンヘンが圧倒的な強さで優勝を果たしたが、バイエルンやブンデスリーガ関連のコンテンツが跳ねたことを私はいまだ見たことがない。つまり強さだけが理由ではないということだ。

一体プレミアリーグの人気はどこからくるものなのだろうか。

■人気の理由

そもそもプレミアリーグが人気な理由はいくつかある。

ひとつは、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールといった古くから人気・知名度・強さが揃うクラブが“複数”あること。他の欧州リーグではこれほど安定した強さを見せるクラブがあまり多くないため、プレミアリーグほど競争力が高まっていない。もちろん、プレミアリーグが放映権料でクラブが多額の資金を得ているという背景もある。

また、単純にスタイルがエキサイティングであることも挙げられるだろう。プレミアリーグのサッカーは一言で言えばダイナミックでスピーディー。初めてサッカーを見る人であっても、その迫力は伝わることだろう。ラ・リーガやセリエAを腐すわけではないが、それらのリーグよりプレミアリーグのほうが大衆受けすることは間違いない。

ピッチ上以外のことで言えば、ラ・リーガやセリエAより日本時間で見やすい時間にあるということも影響しているかもしれない。プレミアリーグは日本時間の夜中にビッグマッチが行われることが多い一方、ラ・リーガやセリエAは朝方に開催されることも少なくない。単純に試合を見やすいというのも多少は影響されているだろう。実際、近年のエル・クラシコではアジア圏を意識したキックオフ時間になっている。

それでも、プレミアリーグとその他のリーグの間には大きな差がある。特に近年のラ・リーガの人気低下は中の人間である私たちからしても理解できていない。今季は4チーム(アトレティコ・マドリー、レアル・マドリー、バルセロナ、セビージャ)が優勝を争う、激しい戦いを繰り広げていながら、あまり話題にはなっていない印象だ。

クリスティアーノ・ロナウドやネイマールといった時代を代表するスターが去った影響もあるかもしれない。だが、それだけでは片付けることができないほどプレミアリーグとは水を開けられている。

この答えがわかったとき、メディアの人間としてもう一段上に進むことができるのかもしれない。そんな気がしている。

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