サッカーで「間延びする」といった状況は聞いたことがあるでしょうか。サッカー中継の実況や解説者の口から聞いたことがある人も多いかもしれません。しかし一方で、間延びを正しく説明できる人もそう多くはないでしょう。
そこで、今回は間延びについて解説。その意味や避けるべき状況である理由などを説明していきたいと思います。
間延びとは?
間延びの本来の意味とは、「どことなく締まりがないこと」です。使い方としては「間延びした動作」や「間延びした話し方」などとなっています。
サッカーにおいても「締まりがない」という意味ではある意味同様ですが、実際は少し異なります。では、どのような意味で「間延び」は使われるのでしょうか。
サッカーの間延びとは?
サッカーでの間延びとは、ライン間が必要以上に空いてしまうことを指します。サッカーでは、最終ライン、中盤、最前線と大きく分けて3つのラインがありますが、その間隔が開いてしまうことを「間延び」と呼びます。
間延びすることで、ピッチ上には大きなスペースが生まれてしまうため、相手になかなかプレスをかけづらい状況となります。また、攻撃面でも選手間の距離が遠くなるため、パスが通りづらくなり、攻撃を組み立てづらいという負のスパイラルが生まれます。
このように基本的には避けるべき状況であるのが間延びと言えるでしょう。
なぜ間延びが起きてしまうのか?
では、そもそもなぜ間延びが生まれてしまうのでしょうか。
ひとつが体力面。試合終盤になると、スタミナがなくなり、前線の選手が守備に戻れなくなることで、間延びが生まれます。また、疲れがなくともアタッカーが前線に残り、守備陣がラインを上げられずにいると間延びは生まれます。つまりチーム全体の問題であり、フィールドプレーヤー全員が意識を共有できていないと間延びはしばしば生まれてしまいます。
もうひとつ挙げられるのはチーム間での意思疎通、ディシプリンができていない場合にも起きてしまいます。守備側は失点を恐れてラインを上げ、一方で攻撃側が前へ前へという意識を強く持ってしまうと、攻守が分断されて間延びを生むこととなってしまいます。
間延びの反対とは?
間延びの反対とされるのがコンパクト。一般的にサッカーでは、コンパクトであるほうが評価される傾向があります。それはプレスがかかりやすく、選手間の距離が近いとパスもつなぎやすくなるからです。
コンパクトにするためには、まずは最終ラインがハイラインにし、アタッカーまでの距離を短く詰める必要があります。そうすることで中盤の不要なスペースは消え、パスはつながりやすく、プレスもかけやすくなるのです。
もっとも、チーム全体がコンパクトにするか、選手間の距離を遠くするかはチームのスタイル次第。あえて間延びしたような状態にして、オープンな展開を望んでいるようなチームもあります。
まとめ
今回は間延びについて解説してきました。なぜ避けるべき状態であるかが理解できたでしょうか。チームはコンパクトであればあるほど攻守両面においてプレーしやすくなるので、間延びをさせずにコンパクトを意識してプレーしてみましょう。