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サッカーにおけるトランジションとは…どのような意味で使われる?

サッカーでの「トランジション」とはどのような言葉で使われるかご存知でしょうか。あまりテレビ実況などでも使用されず、専門用語のような扱いです。とは言え、専門的なサッカーのコラムや解説では使用されることも徐々に増え始めてきているように思います。

そこで今回は、トランジションの意味や状況について徹底解説。どのような意味で使われるか説明していきたいと思います。

トランジションとは?

トランジションとは、英語の名詞である「Transition」から来ています。意味は「移り変わり」、「移行」、「変わり目」など。時代の移り変わりや電車の乗り換えなど、様々な意味で使用されます。

サッカーでも大体英語の意味そのままで使われています。

サッカーでのトランジション

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サッカーにおけるトランジションを言い換えるなら「切り替え」でしょうか。ボールを奪った瞬間、もしくは奪われた瞬間がトランジションとなります。ボールを奪って攻撃に転じる瞬間を「ポジティブ・トランジション」奪われて守備側に回る瞬間を「ネガティブ・トランジション」と呼びます。ともに略されて「ポジトラ」、「ネガトラ」とも呼ばれます。

そもそもサッカーには4つの局面があります。それが、自分たちがボールを持っている時間、相手が持っている時間、そしてポジトラとネガトラです。それほどまでに切り替えの瞬間は大事なのです。

サッカーはミスのスポーツであり、必ずボールを奪えるシーンや失うシーンがあります。そのトランジションでどれだけ迅速に動けるかが勝敗を分けることとなるのです。

トランジション・サッカーとは?

切り替えに重きを置いているスタイルを「トランジション・サッカー」と呼ぶこともあります。

例えば、ポジトラを極めてトランジション・サッカーを世界に広めたのがユルゲン・クロップ監督が率いていたドルトムントです。彼らはボールを奪った瞬間、縦に素早く仕掛け、少ないパス本数でゴールを陥れていました。まさにインテンシティを高め、トランジションを極限まで極めた好例と言えるでしょう。

一方で、切り替えであるトランジションとボールを大事にするポゼッションは対極のように語られることも少なくありませんが、実際はそんなことはありません。例えば、ジョゼップ・グアルディオラ監督はバルセロナで”ティキ・タカ”と呼ばれるポゼッション・サッカーを極めたことでも知られますが、同時にネガトラも最高まで高めました。

率いてきたバルセロナ、バイエルン、マンチェスター・シティでは、基本的にボールを持つスタイルを貫いていましたが、同時に失った瞬間から素早い切り替えを選手全員に求めています。正しいポジションでパスを回すことを求め、仮に失ってもすぐに相手を囲い込めるような戦い方を選んでいます。だからこそ、すぐにボールを奪い返すことができ、高いボール保持率を90分間で記録することができるのです。

トランジションを鍛える練習

サッカーのトランジションは意識の問題と思われがちですが、練習によって習慣付けることもできます。最も切り替えを意識できるのがプレーエリアを2面用意したパス回しです。

ボールがあるエリアは4対3、ないエリアは1対2とします。そして、ボールを回しつつ、逆サイドのエリアにボールが移動したら、そのままボールを持っているチームは3人、守備側は1人移動して再び4対3の状況を作ります。

トランジションが生まれるのはボールを奪った瞬間。奪った方は逆サイドのエリアにパスか、ドリブルで進入し、すぐにパス回しを始めます。その際に両チームの選手はすぐに4対3の状況を作るべく移動する必要があるので、素早い切り替えが必要とされるのです。

この練習は多くのサッカースクールなどでも行われており、トランジションの典型的なトレーニングです。フリーマンなどを入れてパス回しをしてもいいでしょう。

まとめ

今回はトランジションについて説明してきました。サッカーには4つの局面があることも理解することで、トランジションについての理解も深まるかと思います。これがしっかりとできる選手はどのようなチームでも重宝されるもの。実際にプレーする方はよりトランジションを意識してみるといいでしょう。

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